

三菱一号館美術館
ヴァロットン黒と白展へ。

スイスに生まれ、
厳格なプロテスタント家庭に育った
フェリックス・ヴァロットン。
25歳のときに浮世絵と出会い
衝撃を受け、絵画から版画へと
転向したそう。
19世紀末の、華やかなパリを
リアルな描写で描く。

「息づく街パリ」
の老若男女。


様々な雑誌にも、挿絵を。

この時ばかりは、多少なりとも
フランス語が理解できれば、と
ずっと悔しがっていた。
一人一人の顔つきを見ているだけで
時間が過ぎていく。

社会の暗部にスポットをあて
ブラックユーモアを込めて
描いた作品。

私が好きだった
ル・ボン・マルシェ。
「世界最初の百貨店」で
大量消費する婦人たちを
冷ややかな目で映し出す。

ドレスの柄の繊細なこと。
これが木版画というのが
信じられない。
突風に巻き込まれているのは
犬!?猫!?

必見は、希少性の高い
アンティミテ・シリーズ。
お金、嘘、もっともな理由、
取り返しのつかないもの…など
その絵につけられたタイトルは
皮肉とユーモアたっぷり。
そこから想像する男女の関係性は
一本の映画を見ているかのように
面白い。
独特でありながら、
誰もが共感できる視点を
持つヴァロットンの凄み。

つねに、女性が優位に
描かれているのを
不思議に感じていたら、なるほど。
資産家の娘と結婚をし
安定した生活を手に入れた
彼自身の人生と照らし合わせれば
どこか納得..。
漆黒に塗りつぶされた影。
見えないところに「在る」感情。
人の心をくすぐる
ヴァロットンの優しさに
すっかり惚れ込んでしまった。

そしてこの展覧会、
白黒コーデで行くと
鑑賞チケットが100円オフに。


ヴァロットンに
恋をした夜。

丸の内の輝きがさらに
気持ちを昂らせ
しばらく余韻に浸っていた。